・ Thee OLD CIRCUS _ 1973 _ ジ・オールド・サーカス
Designer / Urano Takahiro _ ウラノ タカヒロ
made in Japan.
・ 取扱店舗 _ Garage EDEN 恵比寿・東京 / 姫路・兵庫 / 宇部・山口
そのアイテムたちは固有のデザインバックボーンを持たず架空と現実の隙間に生まれた物語から派生し生み出される
ブランドの中でその時代とその季節に基づいたストーリーごとに展開され、販売期間に制限を持つシーズンコレクションの位置付けで展開される錆びたラインナンバー
そのネームタグの裏には 1973 の数字が刻まれる
アイテムを構成し使用される素材(つまりそれは生地や革、その他の構成パーツ)は日本国内を始めその他ヨーロッパを中心とするインポートなども含まれる。オリジナルの錆加工を施した金属パーツボタンなども使用し細部まで拘り抜き、朽ちてヤレた物語の世界観を表現するアイテムたちを生み出していく。全ての縫製、組立は国内工場に限られる。その大きな理由をデザイナーは洋服、モノは人の手を通じて生まれるものであり、人間味も含めた上で信頼と技術を認めることの出来る目と手に届く範囲の中で行うことに意味と意義があると考える。また同時にそれは人の手を通じて生まれるモノの質はある意味では出来上がりの空気感さえも作り出すと考えるからである。つまりその職人たちが手に宿す熟練の技工とデザイナーの想い(これを時にデザイナーはマインドと表現する)を持ってこの商品(モノ)たちはこの世に生という命を持って生まれてくると考える。= このマインドから Thee OLD CIRCUS の全ての商品には「Old name」と呼ぶ商品ロット番号とは別にそれぞれ固有の名称(名前)を持つ。
このブランドのアイテムたちが持つその趣向がこの世界においてはとてもマイノリティ(少数派)であることをデザイナーは知っている。だからこそこの趣味と趣向が向かう先は常に危うさの中にある細いワイヤーを伝う綱渡りのようなものであると思っているが、デザイナーはそれさえもこのブランドが持つ希少性と個の存在としてこれを是として捉える。
1973の意味合いはデザイナーが描く物語の原点的でその物語の背景音楽要素として流れ続けるアーティスト Tom waits(トム・ウェイツ) の1stアルバムへのオマージュ(「closing time」発表年)、古くから所有している楽器(それはもちろんfender jazz bassであるが)の製造年、文面的要素の礎である小説「1973年のピンボール」からその数字を借りたものである。
デザイナーはこれらのデザインを独自であり独学のみで始め絵を描く為、各々のデザインにおいてのバックボーンやその背景を持つことはない。つまりそれはファッションとは?という問いがとても空虚に耳に届く言葉であり、アンサー(答え)でもあると言う。ただしそれはファッションが無意味性であることを指すのではなく、洋服の在り方の中で大切なことはいかにそれを纏うその人がカッコ良いのかどうかの指針に沿って(そして従って)どう生きるのかを考えることに繋がっている。(=極論は常に北野たけしもビートたけしもカッコ良いというのが大きな指標だと言う。)そして洋服はそれに対するある種の下駄となることもあり、時にその心をも昇華させる意味合いを持つ力を秘めていると信じている。
novel.
架空と現実の、その僅かな隙間に在る情景と旅路の切抜き写真から生まれる錆付いたDesign と Item たち。
額へ入るモノ作りではなく、着込まれゆく中でいつかそれらはボロボロとなり、最後は原型の欠片をも残さずに消えていくような。
そんなモノへの望みと願い。 華やかさと、そして喧騒的でありながらその表の顔と帰る場所を持たず、ただひとときの余韻を残し、その地を去っていく者のはかなさをモノ作りに対する自分達の在るべき立ち位置と捉えこれを Circus の名に照らし映し original brand name として掲げる。
そして終わりなき当てのない家族探しの旅を続け、宛のない手紙を書き続ける。
雑然としたあらゆるデザインを削ぎ落していく引き算のスタイルの中で生み出されるシンプルかつ無機質なアイテムたち。 メンズウェアとして他にはない程の圧倒的に細いシルエットラインを構築し、そこから生み出される艶美なアウトラインは着るものを選びそれは買い手を最初から選ぶというブランドの基本姿勢も同時に表す。 洋服は、モノとは着ることで初めて命を吹き込まれるものであると信じ、そしてそれはいつかその命を削り、やがて朽ちていく美しい姿であって欲しいと僕は願う。
A simple and inorganic family of items coming out of a style of subtraction that pares down the clutter of design that is all over the place. I construct an incredibly slim silhouette not seen anywhere else in menswear, and the beautiful outline that emerges singles out the clothing, and singles out the buyer from the very start. I believe that in apparel, things are first and only infused with life through the wearing of them, and I hope that these things pass through a beautiful life cycle, eventually stripped of life and finally forgotten with time.
Official Web Site
https://www.theeoldcircus.com
Official Facebook
https://www.facebook.com/theeoldcircus/
Official Instagram
https://www.instagram.com/theeoldcircus/
この店に無くてはならないその存在
当店のセレクトにはなくてはならない大切なブランドであり、ある意味ではこのブランドの始まりがこの Garage EDEN という店の始まりとも言うことが出来る。Garage EDEN 編集者(Editor)ウラノ タカヒロ 自身が手掛けるブランドで始まりは 2005年まで遡る。そういった意味合いにおいても各店の STAFF はこのブランドを基軸に構築し店の在り方を含め展開をしている。
朽ちた匂い、無骨で男らしいスタイル、洋服だけでなくそのモノという存在自体に込めたマインド。
どこまでもストイックに美しいと思えるシルエットは作りでシンプルなアウトラインのデザインが多いく、一見しただけでは分かりづらいこだわりとキーポイントが各所に散りばめられる。時代への錯誤性やニヒルな精神性をモノの中へと落とし込み毎シーズンごとに深淵なるテーマ性を持って展開される。
「モノ」はしょせん「ただのモノ」である。
しかし時にそのモノたちが心を動かすことを僕らは知っているし、それを伝えるために存在している。
彼らのモノ作りの姿勢と主題の一貫性について
「タイトで美しいシルエットフォルム」、「朽ちてヤレていく美しさへの美学」、「生と死の隙間にある物語」
着る人間を選ぶ(それはつまりタイトさにこだわるが故にあるのだが)モノが多いが、それは逆説的にはこのブランドの商品を身につけることが出来るということはそれだけ自身の体型の維持も含めた意味でも美学を持つ男だけに許された特権でもあると当店では考える。またその特有なまでのこだわりが凝縮されたシルエットラインの一貫性が故に一度気に入ったシルエット、サイズを見つけ出すことが出来ればその後何年にも渡り同型に近いフォルムアイテムを選ぶことが出来る。分かりやすく言えば「いついつのコレクションの〇〇のアイテムを持っているのだが今季の△△のアイテムのサイズ感はそれと比べてどのくらいですか?」と言ったような疑問にも店として明確な返答をすることが出来、それによってユーザー側としてもサイズ感を含めた商品選びがしやすいとも言える。デザイン性の不変さに加えてサイズ感の安定さ(その安定さを保つためにこのブランドは製品前にほとんど全てのアイテムを水洗いして生地を縮ませて完成させるこだわりを持つ)を持つこのブランドはそういった意味においても店頭、WEB含め多くのファンを獲得している。
” 共に生き、歩く ”という姿勢は革という素材で表現される
この世界に文字通り足を踏み入れた最初の場所は靴屋であり、一番の興味は靴だった、とデザイナーは言う。
Tom waits (トム・ウェイツ)は 「Down by law」(監督:ジム・ジャームッシュ 出演:トム・ウェイツ 、ジョン・ルーリー 、ロベルト・ベニーニ 製作:1986年米/独)の劇中一緒に住む女と口論になった際の台詞にこういったものがある。『おい、靴だけは捨てるな』(劇中のトム・ウェイツ=役名はザック)は言う。(だがしかし女は容赦なく窓の外へザックの大切な靴を放り投げ、それを機にザックは「お前とはこれっきりだ」と言って家を出て行く)
また彼は別の雑誌ではこう言っていたらしい(デザイナー本人もそれがいつのどの雑誌なのかは覚えていないらしいが)
「その人が死んだ時に履いていた靴を見ればきっとその人がどんな人生を送ったのかが分かるよ」
Tom waits が言ったこの言葉が特別な意味合いだったのかは分からないが、その言葉はデザイナーの心に深く刻まれた言葉だったようだ。そしてその言葉を受けて彼が作るこのブランドではブーツのみ作ることに決めたという。(もちろん時に革を用いたサンダルなどは作るが)自分自身が死ぬ時、その最期の時には自身が共に生きて歩いてきたブーツを履いていたいと思う。凡庸な表現だがまさしく人生という歩みは靴、ブーツという履物と共に歩くことであり、また使い古された言葉ではあるが「オシャレは足元から」という言葉の意味もやはり深く大きな意味合いを持つのだと思うからだ。
thee old circus が作り出すブーツには大きな特徴がある。それが「ソール(靴底)」部分。一般的なブーツはどれほど重厚なものであれ基本的にはシングルミッドソールと呼ばれる構造を持つことが多い。だが thee old circus ではリリースする多くのブーツはダブルミッドソールという構造を持つ。中底(足底自体が触れる部分)と本底(レザーソールやVibramなどの地面と触れるソール部分)との間にはミッドソールと呼ばれる革の積み革が存在する。この部分は通常1枚(=シングル)であるが、このブランドのブーツはこのミッドソールを2枚積むことにより圧倒的なソールのボリューム構造を生み出す。この構造で作るブーツは国内、海外においても非常に稀有で(構造の複雑さ、二枚の革を含むことで構造上相当な厚さにもなる為にそれらを貫通させることの出来る動力持つミシンを持つ職人に縫製が限られるなど製法上においても製作が可能な工場が限られることも一因)あることをここに示し記す。このボリュームを持つ構造によってソールの厚みによる単純な脚長の効果を生み出すことだけでなく、ブーツ自体の重量感がありながらも高いクッション性を作り出す。
これだけの重量感がありながらも歩きやすさに関してもきっとそれは驚くことだろう。その秘密もやはりソールの構造にある。多くはVibram社(イタリア)のソールを装着しての完成となるのだが、その際に通常はソール全面をラバーで覆って装着するのだが、thee old circus のブーツは Vibram ソールの土踏まず部分を意図的にカットして装着させている。(これにより Vibram社のロゴも同時にカットされるがデザイナーはそういったロゴなどには一切の興味を持たない)靴の歩きやすさは「返し」(屈曲性)に大きく作用される。爪先側と踵側の中間に位置する土踏まずの部分にラバーを貼らないことでこの靴の返しが格段に良くなることでこれらのブーツの歩き心地は格段に快適さを増すのだ。さらにメリットを言えばこの土踏まずの構造を持つことで女性のハイヒールの高さと同様にヒールと土踏まずの外観的部分には意図的な「隙間」が生まれることでこれにより着用時にソールの厚みと高さに加えてさらなる脚長効果が生まれる。
ソールの装着構造はある意味ではもちろんと言うべきグッドイヤー・ウェルト製法(Goodyear welt process)で仕上げる。製法としてはもちろんコストの掛かる手法ではあるが故に大きなプライスアップとなる要因ではあるが、その対価として得ることの出来る最大のメリットはやはり永続的なリペア、補修性であり最低でも10年は共に過ごす足元としては必須の製法であると断言する。
>>> ソールのリペア等アフターサービスに関してはこちらのページを御覧下さい。(現在準備中)
※ アッパーに継ぎ目を持たない特殊なワンピース構造のブーツ
そして、「革」だ。
革=レザー、というマテリアル(素材)に関しては並々ならぬこだわりを持つ。
もちろん全てのマテリアルに対して深い造詣はあるのだが、こと革という素材はまたそれらとは一線を画す。なぜならそれは単純に何年、何十年と時間を掛けて着用を繰り返す中でエイジングされることによりさらに良いモノへと昇華していく素材であり、そして同時に革とは育てるモノであり、命のバトンを受け取っていく使命のようなものを感じるからだと彼は言う。
使用される多くの革は原皮(革となる前の皮と表現される加工前の状態を指す)の選別と産地決めから携わることで、マス化された一般的な革を越える卓越したオリジナルレザーを作り出し、その工程を経た革を使うことでまさに「特別」なレザーウェア、レザーアイテムへと仕上がっていく。国内の革の生産のシェアの多くを占めると言われる兵庫県姫路市のタンナーと手を結ぶことでそれらはようやく実現される。(Garage EDEN 姫路の店長 KONNO はこの橋渡し役としても活躍するレザーソムリエ的な存在でも在り時にはこのあとで掲載する革の加工を行う職人でもある)さらに言えば、単にタンナーとの契約やタンナーとのパートナーシップで革を作り出すことはモノ作りを目指す人間であれば出来ることではあるが、彼は素材についてそれ以上を求める。つまりは革の加工に用いられるタンニン(革好きなら耳にすることがあるであろうベジタブルタンニンなどの名称を持つ水溶性化合物の総称)の素材や染料を扱う職人にまで相談をし様々な種類のタンニン同時の掛け合わせやミックスなども含ませることでこれまでにない革の追求にも参加する。(それはもちろん沢山の失敗の試作も多く生み出しているらしいが・・・)
選び抜いた最上質の国内原皮、国内原皮では表現の難しいヨーロッパ原産原皮の使用など彼の追求は止むことがない。
そしてオリジナルレザーへのこだわりと同時に時にインポートレザーも使用する。その理由として彼が挙げるのは原皮の違いはもちろんながらその他にタンニンの素材や染料にまで携わる中で国内では手配出来ない薬品などを理由に挙げる。(革にはあらゆる薬品や染料が用いられる。その中では日本と海外の法律上の違いなどで同じ薬品や染料を使用出来ないことも多々あるのだと言う)そういった中でこれは革に限ったことではなく布帛やニットなどの素材マテリアルにも言えることだが自己のブランドを表現するに辺りただ単にオリジナルにこだわるのではなく、自分が表現をしたいと思う素材を選びぬくことを優先する。その為コレクションの中では イタリアの Guidi 社の革などが入り交じることもある。(使用しているレザーを含めたマテリアルの説明に関しては各 WEB STORE でのアイテム詳細説明に記載しております)
>>> レザーアイテムのメンテナンス、ケアの案内、リペア等アフターサービスに関してはこちらのページを御覧下さい。(現在準備中)
※ 国内原皮を用いたオリジナルレザー「Rust Leather」
※ イタリア Guidi 社 の革を使用したテーラードジャケット
※ 製品後に墨染を施したアイテム(オリジナル Bullet Leather +墨染料)
卓越した縫製職人によるその腕
すいません。まだ書きかけです。。。